骨粗しょう症
骨粗しょう症は、骨の量が減ってスカスカになり、強度が低下することで骨折しやすくなる病気です。自覚症状が乏しいため「サイレント・ディジーズ(静かなる病気)」と呼ばれ、転倒などのちょっとした衝撃で骨折して初めて気づくケースも少なくありません。姫路市飾磨区の木村内科では、骨密度の測定から食事・運動指導、お薬による治療まで、お一人おひとりに合わせた骨の健康管理を行っております。健康寿命を延ばし、いつまでも自分らしく動ける毎日を守るために、早めの対策を一緒に始めましょう。
骨粗しょう症の症状について
骨粗しょう症の初期段階では、痛みや違和感などの自覚症状がほとんどありません。しかし、病状が進むと骨が脆くなり、体の重みを支えきれなくなることで、日常生活にさまざまな影響が現れ始めます。
身長の変化と姿勢のゆがみ
以前に比べて身長が2センチメートル以上縮んだ場合、骨粗しょう症の疑いがあります。これは、背骨の骨(椎体)が自分の体重でつぶれる「いつのまにか骨折(圧迫骨折)」が起きている可能性があるためです。また、背中や腰が丸くなったり、曲がったりするのも、背骨の強度が低下している証拠といえます。
腰痛や背中の痛み
骨が脆くなると、重いものを持ったときや立ち上がるときなどに、腰や背中に鈍い痛みを感じることがあります。激痛ではなく「重だるい感じ」が続く場合もあり、加齢による疲れと見過ごされがちです。背骨が変形すると、内臓が圧迫されて食欲が落ちたり、逆流性食道炎のような症状が出たりすることもあります。
骨折しやすい部位
骨粗しょう症になると、健康な人であれば何ともないような転び方で骨折をしてしまいます。特に骨折しやすい部位は以下の通りです。
- 手首の骨(橈骨遠位端骨折)・・転んだときに手をついて折れるケースが多いです。
- 背骨(椎体圧迫骨折)・・重いものを持ったり、尻もちをついたりした衝撃で起こります。
- 太ももの付け根の骨(大腿骨近位部骨折)・・高齢者の寝たきりの大きな原因となる深刻な骨折です。
- 肩の付け根の骨(上腕骨近位部骨折)・・転倒して肩を打った際に発生しやすいです。
骨粗しょう症の原因について
骨は常に、古い骨を壊す「骨吸収」と、新しい骨を作る「骨形成」を繰り返して作り替えられています(骨リモデリング)。このバランスが崩れ、壊される量に対して作られる量が追いつかなくなると、骨がスカスカになってしまいます。
加齢と性ホルモンの減少
最も大きな原因の一つが加齢です。特に女性の場合、閉経を迎えると女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少します。エストロゲンには骨を壊す細胞の働きを抑える役目があるため、閉経後は骨密度が急速に低下しやすくなります。女性診療に注力している当院では、ライフステージに合わせたアドバイスを行っております。
女性の骨の健康については「女性診療・頭痛・漢方」のページも併せてご覧ください。
生活習慣の影響
日々の食生活や運動習慣も骨の強度に深く関わっています。骨の材料となるカルシウム、その吸収を助けるビタミンD、骨への沈着を助けるビタミンKなどが不足すると、骨は脆くなります。また、過度なダイエットや飲酒、喫煙習慣も骨密度を低下させる要因です。運動不足による機械的刺激の不足も、骨を弱くする原因となります。
持病や薬剤の影響
他の疾患や、治療に使われるお薬の影響で骨が弱くなることもあります。これを「続発性骨粗しょう症」と呼びます。例えば、糖尿病の方は、骨密度が高くても骨の質(骨質)が劣化していることがあり、骨折のリスクが高まります。当院では生活習慣病全般を診ておりますので、持病がある方の骨折予防も重視しています。
糖尿病をお持ちの方は「糖尿病」のページを参照してください。
骨粗しょう症の病気の種類について
骨粗しょう症は、その発症の原因によって大きく2つのタイプに分類されます。ご自身のタイプを正しく把握することが、適した治療法を選択する第一歩となります。
原発性骨粗しょう症
特定の病気が原因ではなく、加齢や閉経、生活習慣などが要因となって起こる、最も一般的なタイプです。以下の2つにさらに分けられます。
- 閉経後骨粗しょう症・・女性ホルモンの減少により、急激に骨吸収が進むことで起こります。
- 老人性骨粗しょう症・・加齢により腸からのカルシウム吸収が悪くなったり、骨を作る力が衰えたりすることで起こります。
続発性骨粗しょう症
他の病気や、特定の薬の副作用が原因で引き起こされるタイプです。原因となる主な病気や要素は以下の通りです。
内分泌疾患
甲状腺機能亢進症や副甲状腺機能亢進症などの病気では、骨の代謝が過剰になり、骨が脆くなることがあります。
生活習慣病
糖尿病、慢性腎臓病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などは、骨の質を低下させる原因となります。当院ではこれらの疾患の管理も並行して行います。
肺の病気との関連は「COPD」のページをご覧ください。
薬剤性
ステロイド薬を長期間服用している場合、骨を作る働きが抑えられるため、骨密度が低下しやすくなります。
骨粗しょう症の治療法について
治療の目的は「骨折を予防し、自立した生活を維持すること」にあります。骨密度を増加させ、骨の質を改善するために、当院では3つの柱を軸に治療を進めていきます。
1. 薬物療法
すでに骨密度の低下が進んでいる場合や骨折のリスクが高い場合には、お薬による治療を開始します。現在はさまざまな種類のお薬があり、患者さんの状態やライフスタイルに合わせて選択します。
- 骨吸収を抑える薬・・骨が壊されるのを防ぐお薬(ビスホスホネート製剤、SERMなど)です。
- 骨形成を促す薬・・新しい骨を作るのを助けるお薬(テリパラチドなど)です。
- 骨の代謝を整える薬・・骨の材料となるカルシウムの吸収を助ける活性型ビタミンD3製剤などがあります。
- 半年に1回の注射薬・・骨を壊す働きを抑える抗体製剤(デノスマブ)など、通院頻度を抑えられる選択肢もあります。
2. 食事療法
骨の健康を保つための基本は、バランスの良い食事です。特に意識して摂取したい栄養素があります。
- カルシウム・・牛乳・乳製品、小魚、豆腐、小松菜などに多く含まれます。
- ビタミンD・・鮭やキクラゲ、干し椎茸などに含まれ、日光を浴びることで体内でも合成されます。
- ビタミンK・・納豆、緑黄色野菜などに含まれ、骨にカルシウムを定着させる役割があります。
- タンパク質・・骨の土台となるコラーゲンを作るために欠かせません。
3. 運動療法
骨は荷重(体重などの刺激)がかかることで強くなります。激しい運動である必要はなく、無理のない範囲で継続することが重要です。当院では健康スポーツ指導にも取り組んでおり、具体的なアドバイスが可能です。
- ウォーキング・・1日30分程度、背筋を伸ばして歩くことが効果的です。
- 片脚立ち(フラミンゴ療法)・・椅子や机を支えにして、左右1分ずつ行うだけで骨への良い刺激になります。
- スクワット・・太ももの筋肉を鍛えることで、転倒の予防につながります。
- かかと落とし・・かかとに衝撃を与えることで、骨を作る細胞を活性化させます。
骨粗しょう症の検査と費用について
木村内科では、客観的なデータに基づいて的確な診断を行っております。検査は痛みを伴わず、短時間で終わるものがほとんどです。
主な検査内容
- 骨密度測定・・当院では、手の骨をレントゲン撮影して測定する簡易的な方法などをご案内しています。
- 血液・尿検査・・骨の代謝状態(骨の入れ替わりの速さ)を調べる「骨代謝マーカー」を測定し、治療薬の選択や効果判定に役立てます。
- レントゲン検査・・背骨が潰れていないか、変形していないかを確認します。
料金について
当院での診療は原則として保険診療となります。初診料や再診料のほか、検査内容に応じて以下の費用(3割負担の場合の目安)がかかります。なお、自治体の検診などは料金体系が異なりますのでお問い合わせください。
| 検査・処置項目 | 自己負担額の目安(3割負担) |
|---|---|
| 血液検査(骨代謝マーカー含む) | 約2,000円から3,000円程度 |
| お薬代 | 種類や処方日数により異なります |
※上記はあくまで目安であり、他の検査の実施状況により変動します。
骨粗しょう症についてのよくある質問
Q1. 痛みがないのに治療を始める必要がありますか?
A1. はい。骨粗しょう症の恐ろしさは、痛みがなく進行し、ある日突然骨折することにあります。特に背骨や太ももの付け根の骨折は、寝たきりや生活の質の低下を招くため、痛みのないうちから予防と治療を始めることが重要です。
Q2. 何歳から検査を受けるべきでしょうか?
A2. 女性の場合は閉経を迎える50歳前後、男性の場合は70歳を過ぎたら一度は検査を受けることをお勧めします。ただし、若い世代でもダイエットや運動不足が気になる方は早めにチェックしておくと安心です。姫路市の健康診断などで項目がある場合は積極的に利用しましょう。
Q3. 食事だけで骨粗しょう症を治せますか?
A3. すでに骨密度がかなり低下している場合、食事だけでは骨量を元に戻すことは難しいのが現状です。食事療法はあくまで基礎であり、お薬を併用することで効率よく骨を強くし、骨折リスクを下げることが期待できます。
Q4. 治療は一生続けなければなりませんか?
A4. 骨の状態が改善し、骨折のリスクが十分に低くなったと判断されれば、休薬や治療の強度を下げることも可能です。定期的な検査で骨の状態を見極めながら、継続の必要性を相談していきます。
院長より
骨粗しょう症の治療は、単に数値を改善することだけが目的ではありません。患者さんが住み慣れた地域で、いつまでもご自身の足で歩き、元気に笑って過ごせる時間を守ることこそが私たちの使命だと考えています。
当院では、お一人おひとりの声にしっかり耳を傾ける診療を心がけておりますので、「何となく腰が痛い」「自分も検査が必要かしら」といったちょっとしたお悩みも、安心してお話しください。特に女性の患者さんは、男性医師には相談しにくいお悩みもあるかと思いますが、女性医師がライフステージに寄り添った丁寧なサポートを提供いたします。
糖尿病などの生活習慣病をお持ちの方や、通院が難しい方のための訪問診療にも対応しており、総合的な視点で骨の健康を守ることができます。骨折予防は、早く始めるほどその効果が期待できます。英賀保駅から徒歩3分の通いやすい場所にございますので、ご家族の健康相談も含め、どうぞお気軽にご来院ください。皆さまの健やかな毎日を、スタッフ一同全力で支えてまいります。
健康診断については「健康診断」のページもご参照ください。
